遺言書が必要な理由

●遺言書は「相続」を「争族」にしないための予防策

多くの財産をもっている人が遺言をしておく必要があると思われている方が多くおられます。しかし、家があったり、車があったり、預貯金があったりするとしたら、これらの財産のどれかがだけが相続財産となった場合でも、財産をどの様に相続人が相続するか話し合わなければなりません。遺言書がない時に、これらの遺産をめぐり相続人同士の争いが起きてしまうことも少なくありません。今まで、あれだけ仲の良かった兄弟が相続手続きを行わなければならなくなり、話合いをするうちに、相続人の配偶者やその子たちまでも加わって、『争族』へと発展してしまうことも多くあります。この様な遺産相続に関する争いについては、おおよそ3分の2が遺言書を書いておけば争いにならなかったものと思われます。遺言書を準備しておくことにより、自分が亡くなった後の無用な争いを防ぐとともに、残る者に対する思いやりと気持ちを伝える最後のメッセージとして遺言書を残しておきましょう。

●家しか財産がないからこそ遺言書が必要です!

遺言書は、「財産が多くあるお金持ちの方が用意しておくもので、うちには家くらいしか財産もないし、遺言書なんか関係ない。」 と思っている方もいます。しかし、家を相続人3人で分けれることができるしょうか?また、夫婦で子供もなく、ご主人が亡くなった場合、ご主人のお父様、お母様なども既に亡くなっておられる場合には、ご主人の兄弟が相続人となることもあります。兄弟の方々の協力を得て遺産分割が出来ればよいのですが、家を相続するための遺産分割の協議がうまくいかなければ、最悪、家を手放すことも考えなければならないことも起きてきます。もし、遺言書を用意しておくことができれば、兄弟姉妹には、遺留分がありませんので、残された配偶者の方は、住み慣れた家で今までと同じ様に暮らしていく事が可能です。